サイコパスを操作する

サイコパシーの理解から対策まで

サイコパスの心理学 感情では動かない?

サイコパスの感情に訴えても無駄だ。サイコパスにとって有益な要求でなければならない。ドラマ「半沢直樹」で大和田常務が「”土下座”なんて感情に訴えるだけのくだらないパフォーマンスだ」と言っていたが、まさにその通りだ。

 

 

ところで、「最後通牒ゲーム」をつかったサイコパスの研究がある。

いま、ここに10万円がある。Aさんは、Bさんと二人で10万円を好きな割合で分けることができる。たとえばAさんが「5:5」とコールしたとき、Bさんはその要求を受けることもできるし、断ることもできる。しかし、要求を断れば、お互いに得る金額は0だ。このようなやりとりを数回繰り返す。

 

さて、あなたがBさんのとき「8:2」のコールを受けるだろうか。Aさんは「俺に8万円よこせ。お前は2万円で十分だ」と言ってきたわけである。なんて不公平な要求だ。

 

しかし、サイコパスは要求を受け入れる

理由はシンプルで、要求を断れば自分が得られる金額は0だが、要求を受ければ2万円が手に入るからだ。「不公平だ!」という感情的な理由で自分の利益を逃すことはない。この実験で示されたサイコパスの思考はどう捉えるべきだろう。僕の考えはこうだ。

 

サイコパスは自分の利益を増やすことに興味を示す

②感情的な要因はサイコパスの意思決定に関わらない

③短期的な、目先の利益に弱い

 

①、②は言うまでもない。よって③について説明する。

「8:2」の要求を受ければ、AさんはBさんをカモりだし、8:2での交渉を続けるだろう。サイコパスはそれでも要求を呑むので、最終的には9:1まで吊り上がるかもしれない。要求を断っていれば、Aさんは妥協して最終的には5:5まで引き下がっていたかもしれない。このように長期的な状況を考えれば、サイコパスの思考は極めて短期的といえる。

 

実際、サイコパスには「長期的な目標の欠如」「衝動的」といった特徴があった。そして「自制心」のスコアが低い場合は「負け組のサイコパス」になりやすかった。「最後通牒ゲーム」のサイコパスほど愚かではないだろうが、彼らの自制心を攻撃すれば「勝ち組のサイコパス」も「負け組のサイコパス」と同じようにふるまうのだ。つまり、目先の利益をエサにして釣ることができる。僕らのゴールは、サイコパスを操作し「長期的な利益」を獲得することだ。次回は自制心についての心理学を紹介しよう。