サイコパスを操作する

サイコパシーの理解から対策まで

あなたの中のサイコパシー

 

「実は俺、サイコパスなんだよね。」と言われても、大抵の人は苦笑いを浮かべるだろう。本当にサイコパスならそのような無益なカミングアウトはせず、良心的な人間を装うことに努めるはずだ。 また、サイコパスは自分のことを「普通の人間」だと思っているので自覚することはない。と考えるかもしれない。

 

前者の反論はもっともだが、後者については全く根拠がない。「自称サイコパス」は確かに肥大化した自己愛の顕れかもしれない。しかし彼の行動が実際にサイコパス的であれば、対処すべきはその”行動”であって「彼が本当にサイコパスかどうか」ではない。この点を間違ってしまうと、痛い目を見ることになるだろう。

 

 

さて、世の中には”自己診断用の”サイコパシーチェックリストが存在する。

今回はこれを用いて、「あなたの中のサイコパシー」に目を向けてみよう。

質問には直観で答えるのをオススメする。

リンク:Levenson Self-Report Psychopathy Scale

 

 

【テストの和訳】

1.「成功は適者生存に基づいている。敗者のことは気にかけない。」

2.「人生の中で、同じ種類のトラブルに悩まされていると気が付く。」

3.「私にとって正しいものは、逃げることができるものだ。」

4.「しばしば退屈する。」

5.「成功するために、あらゆるものから逃げるのは正しいと感じる。」

6.「1つの目標を長期間にわたって追い求めることができる。」

7.「人生の主目的は、できるだけ多くのものを得ることだ。」

8.「あらかじめ入念に計画を立てることはない。」

9.「大金を稼ぐことは最も重要な目標である。」

10.「始めたタスクにすぐ興味を失ってしまう。」

11.「他人にはより高尚な価値へ興味を向けさせておけばよい。私の主な関心事は損得だ。」

12.「問題のほとんどは、他人が私を理解していないことに原因がある。」

13.「何かを盗まれるほど愚かな人間がそういう目に遭うのは当然だ。」

14.「何かを行う前には、起こりうる結果を考慮する。」

15.「自分探しが私の最優先事項だ。」

16.「他人と大声で口論になることが多い。」

17.「私が望むことを彼らが行うように、彼らの望む言葉を言う。」

18.「イライラしたとき、自分の頭上に風を吹かせて蒸気を飛ばす。」

19.「自分の成功が他人の犠牲からなっていた場合、それは気がかりだ。」

20.「愛は過大評価されている。」

21.「私はしばしば巧妙な詐欺に感心する。」

22.「自分の目標を追求する上で、他人を傷つけないことを重要視する。」

23.「他人の感情を操作することを愉しむ。」

24.「自分の言動で他人を傷つけてしまうと罪悪感を感じる。」

25.「たとえそれを売るのに苦労していても、商品に関する嘘はつかない。」

26.「ズルは不公平なので間違っている。」

 

 

僕のテスト結果はこのようになった。

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Primary psychopathyは「一次的サイコパシー」、すなわち情動面(共感性の欠如、反社会的指向性への耐性)に関するスコアだ。

 

Secondary psychopathyは「二次的サイコパシー」、すなわち反社会性(ルールを破ること、社会的に望ましいとされる行動への努力欠如)に関するスコアだ。

 

こうしてみると、僕のサイコパシーはかなり高めだ。

あなたはどうだっただろうか。

 

 

僕にとって、このテストの意義は「自分の直観」を自覚できる点にある。 衝動性、共感性の欠如、反社会性など、サイコパシーの多くは自制を心掛けなければ自身の破滅を招くものばかりだ。

 

だから、あなたもこれを機に「自分にもサイコパス的なところがあるのではないか」と考えてみて欲しい。自覚しなければ自制しようがない。僕は常々、「普通の」人の言動の方が、よっぽど狂っているように感じる。それは”共感”に駆り立てられた残酷さだ。

 

初めてサイコパスに関する本を手に取ったとき、彼らの行動原理に共感したと同時に困惑したのを覚えている。余計な感情に惑わされず自分の利益だけを考え、合理的に思考し行動するサイコパスは、僕と似ているようで異なる人間だった。

 

当時の僕は、周囲とズレていることに気が付いていた。しかし、サイコパスだと自覚していたわけではなかった。むしろ憧れの方が強く、繊細で自己愛の強いタイプだ。幼少期は理不尽に怒る親や、他人の感情を顧みない自己中心的な同級生に対して「どうしてこんなことができるんだろう」と感じていた。

 

そんな人間がこのスコアを叩き出したのは、サイコパシーを「学習」「操作」したからだ。さながら認知行動療法のように、経験知を積み重ねて認知を矯正し、余計な良心や共感を棄て去り、無益な自意識や不安を消去した。

 

こうして直観レベルサイコパスの思考が染みついた一方、スイッチを切り替えれば良心的で感情的な人間になることもできるようになった。僕はサイコパシーを「自制すべきもの」ではなく「道具」として扱っている。 

 

 

 

サイコパシーはスペクトラムだ。

その正規分布のどこかにあなたも存在する。そして、僕はその分布の中を自由に移動することができる。また、ある程度なら別の位置へ誰かを動かすこともできる。

 

多くの人は自己診断テストを利用するとき、「自分の位置を探すこと」に躍起になる。それは所詮、レッテルに閉じられた世界だ。

 

また、多くの人はサイコパスに憧れるか、嫌悪する。しかし、サイコパシーの片鱗はあなたの中にもある。それを自覚し操作するまでは、あなたはサイコパスを「遠い他者」のように感じるだろう。

 

今回のテストで自分の位置を把握したら、状況に応じて動かすことを覚えた方が良い。自分と異なる位置にいる人間に無理解を示すのではなく、新たな経験を生み出すためのモデルにする。 

 

こうすることで、あらゆる人間に共感することができる。これが本当の意味での「サイコパスを操作する方法」に繋がる。